エドルネ日記

まち歩き、神社巡り、暗渠、風景写真、バードウォッチング、サイクリング、マッピング、日々のこと(料理、わんこ、etc)

古地図に誘われて、光芒につつまれた「青龍神社」と「怪無池」訪問

青龍神社

古地図で江戸川区内の中井堀から、その水源である小合溜井(葛飾区水元)までたどっていく途中、ちょうど西用水が中井堀に分岐するポイント(高砂6丁目付近)に、ひとつの池を発見!

インターネットで公開されている古地図で、当時の様子を眺めてみました。

東京府南葛飾郡全図(明治38年)※参照:江戸川区立図書館/地図

今昔マップon the web使用

※利用:ひなたGIS

気になって調べてみると、そこには「怪無池(けなしいけ)」という
なんともそそられる名称の池と、そのほとり「青龍神社」が祀られているのを発見!

葛飾区の公式サイトには、以下のような解説がありました。

 〇青龍神社と怪無池(高砂6丁目)  
 青龍神社は、中川の土手のすぐそばにあり、境内には怪無池とよばれる大きな池があります。池の水は枯れることがなく、神聖な池とされていました。  
日照りが続くと池の水を田畑に注いだり、明治時代には雨乞いの行事を行ったりしたと伝えられています。また、池をよごしたり水をかき出そうとすると悪いことが起こるといわれていました。「けがなしいけ」に通じることから「けががない」ようにと、これから戦争に行く人がよくお参りに行きました。
※参照:子ども葛飾区>第5節高砂

 

・・というわけで古地図に呼ばれるようにして出かけて行った「怪無池」と「青龍神社」。
以下の写真は、2024年10月13日に撮影したものです。

 

この日は、低い位置に綿雲が浮かぶ夏のような青空。
ちょっぴり汗ばむ陽気でした。

最後の一枚は、壊れた井戸の手押しポンプ。
柵が張られたその先には中川が流れています。
ちょうど光芒(天使の梯子)が写り込み、なんとも神々しい写真が撮れました。

*****

ここは、ぷちジブリ感ただよう世界。
古地図に描かれている当時の風景がありありと偲ばれます。現在取り組んでいる「水にまつわるフィールドワーク」において、間違いなく聖地のひとつと言える、厳かでどこか懐かしいスポットでした!


※この記事は、2024年10月24日のブログ記事を一部修正して再アップしたものです。
今後も、gooブログのサービス終了に伴い消滅した過去の記事に少し手を加えて、順次アップしていく予定です。

 

氷川神社・香取神社・久伊豆神社、関東地方に偏在する三社マップ

〇地図を眺める楽しみ、作る楽しみを知った出来事

私の「電子地図」での取り組みの出発点についてお話します。

そもそものきっかけは、2007年にさかのぼります。大人の学びの場として開設された「江戸川総合人生大学」に通っていた頃、区の職員の方から「『第16回全国川サミットin荒川』で発表してみませんか?」とお誘いを受けたことが始まりでした。

テーマ探しに悩みながら、「荒川に関連する何か、私たちの生活に関わるよもやま話はないか……」と漠然と考えていたとき、たまたま放送大学のテレビ解説が目に飛び込んできました。そこでは、「氷川神社が荒川周辺に多く建立されており、水の脅威に対する守り神としての存在であった」という内容が語られていたのです。

「これだ!」と直感した私は資料を探し、西角井正慶著『古代祭祀と文学』という運命の一冊に出会いました。

全国川サミットin荒川 発表PDF5頁

2007年開催の「全国川サミットin荒川」では、この出会いを経て作成したテーマの概念図をもとに発表を行いました。当時の具体的な取り組みと発表内容は、以下のリンクからご覧いただけます。

・[PDF] 070426 全国川サミットin荒川 企画書

2年間の学びの成果を川サミットへ:ICT利活用でつなぐ地域発信の輪

https://www7b.biglobe.ne.jp/~map/page/070426kikkusyo.pdf

・[PDF] 071027 全国川サミットin荒川 発表資料

「荒川の守り神 氷川神社を巡って~先人たちに学ぶ 川の脅威とその恵み」

https://www7b.biglobe.ne.jp/~map/071207/071027_ARAKAWAsummit.pdf

 

〇衝撃を受けた「三社の分布図」

さて、当時私が大きな衝撃を受けた『古代祭祀と文学』135頁掲載の「氷川神社・久伊豆神社・香取神社分布図」がこちらです。

古代祭祀と文学(西角井正慶著)135頁

この分布、すごくないですか!

『古代祭祀と文学』(P132~140)によると、

氷川神社:荒川の沿川

香取神社:利根川の沿川

久伊豆神社:元荒川の沿川

それぞれの神社は特定の河川流域に卓越して分布しており、こういった分布状態は極めて珍しいと記されています。(以下『古代祭祀と文学』(P132より引用)

(甲の)氷川神社の地域、(乙の)香取神社の地域が地図上で明らかに色分け出来るのは全国的に見て、珍しい分布状態と言わざるを得ない。更に吾々が興味を覚えるのは、(丙の)久伊豆神社を持つ村落が、あたかも甲・乙の中間地帯を形成していることである。」

〇 マイマップ作成

本の中のこの図を見た時「これは絶対、ズームもパンも自由自在の電子地図にのせて見てみたい!」という衝動に駆られました。しかし、同書には各ポイントごとの詳細な緯度経度データまでは掲載されていません。そこで公開されている様々なデータをもとに、私がプロットして作成したのが以下のマップです。

※2007年の「全国川サミットin荒川」発表時は、氷川神社のみを「電子国土」にプロットしていましたが、こちらはその進化形となる「三社マップ」となります。

〇【統合版】氷川神社・香取神社・久伊豆神社マップ

実は以前ネットで様々な方にご教授いただきながら「Google Maps API」を使って作成・公開していたのですが、Googleのサービス仕様変更に伴い見られなくなってしまっていました。今回はそのデータを元に、改めて「Googleマイマップ」で同様の地図を再現しました。

それぞれの神社ごとの個別分布地図は、以下からご覧いただけます。

〇氷川神社

 

〇香取神社

〇久伊豆神社

専門家ではない一人の個人ではありますが、だからこそ、この貴重な地理的・歴史的データを「ちゃんとした形で、誰もがアクセスできるオープンデータとして公開したい」という強い思いがあります。

技術的な専門教育を受けたわけではないので、大きな風呂敷を広げるのは少し気後れもしますが、まずは第一歩として、ここにアップいたします。

データ作成については、使いやすく汎用性のあるものにするために、やることが多そうです。ポイントごとの平仄を合わせるなどの技術面はもちろんですが、これからも「川と人の歴史」そのものを少しずつ学んでいきたいと思っております。

どうぞよろしくお願いします。

 

引用文献:「古代祭祀と文学」西角井正慶著 中央公論社 昭和53年発行